2024.5.17
株式会社Edo(エドゥ、本社:岐阜県飛騨市、代表:関口祐太、以下Edo)は、株式会社イトーキ(本社:東京都中央区、社長:湊宏司、以下イトーキ)と地域における学習環境を充実させるため、新プロジェクト「メタバース・AI」を活用した学習環境開発プロジェクト(以下本プロジェクト)を立ち上げました。また、本プロジェクトの始動にあたり、2024年5月2日に「契約締結式」を行いました。
プレスリリース PRTIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000126208.html
Edoは2023年7月より中高生向けの探究スクールEdo New School®(エドゥニュースクール、以下ENS)(※1)を開校しており、育みたい5つの資質・能力(※2)を高めることを目的に、本プロジェクトを推進します。プログラム・教材、教育データ活用においてデジタル技術を活用する必要があり、イトーキはSmart Campus(※3)をコンセプトに次世代の学びの環境作りに取り組んでおり、文部科学省『令和4年度 次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業』に「メタバースを活用した探究/協働学習・リモート国際交流の実践」をテーマに事業採択された実績もあり(※4)AIの活用やデータ分析に関する研究開発も盛んであることから、共同でプロジェクトを立ち上げるに至りました。
左:共同研究契約の締結式の様子
中:Edo New School®と東京をハイフレックス接続しグループワークをしている様子
右:遠隔からメタバースでワークに遠隔参加している様子
■本プロジェクトの背景と目的
人口減少に伴い、地方の学校や企業、コミュニティは急速に縮小しています。それとともに引き起こされる「教育力の低下」は子どもたちの将来のみならず、地方ひいては日本全体の衰退を招く大変重大な問題です。
これまで教育といえば、主に「学校」が担ってきたものでした。しかし人口減少社会における教育は、「学校が担うもの」から「社会全体で担うもの」という意識を高めていく必要があります。なぜなら、学校や企業、様々な団体は人口減少とともに規模を縮小せざるを得ず、組織として弱くなっていくためです。
もしどこかの教育機能が無くなっても、他の組織や人が成長を支援することができ、それぞれが目的を共有し、繋がり、補完しあえる状態、これが私たちが目指す教育の「生態系」です。これからの時代の教育力は「組織」単体でなく「生態系」で担保していく必要があるのです。私たちは人口減少の進みが深刻な地方部において、教育の生態系を豊かにする一つの手段として「AIやメタバース」といったデジタル技術が有効であると考え本プロジェクトを始動します。
※本プロジェクトにおいては、地方のデジタル対応の状況を鑑み、学校現場や保護者、そしてスクール生自身が安心して取り組めるよう、取得したデータの安全性やプライバシー保護に配慮した環境も同時に整備していきます。
学校、家庭、地域が地域内外問わず相互につながり合い教育力を補い、高め合ってるイメージ
①多様な人と協働出来るメタバース技術
展開予定の各地のスクールに通うスクール生同士が地域を超えて学び合ったり、スクール生が制作したチラシや造形物を3Dデータ化しメタバース上でより多くの人と共有したり、参加する地域それぞれの課題や解決に資する取り組みをメタバース内に展示したりと、既存のオンライン会議システムでは実現できなかったコミュニケーションをメタバース空間で実現します。
②探究学習をサポートする対話型AIサービス
好きを探究する学習において、実際の地域やそこに住む人から刺激を受けることが重要と考えます。そのサポート/コーディネートしてくれる対話型AIサービス「地域探究サポートbot(仮称ぐりん、以下ぐりん)」を開発し、ENSで試験運用します。既にENSで開発された地域資源カード(※5)の情報を活用しながら、個人の興味と地域資源のマッチングや、探究学習に必要な問いかけを行います。
③ハイフレックスグループワークセットの活用
同一空間内でリアルとオンラインを織り交ぜグループワークを行う場合、複数チームがオンライン接続を行うとハウリングを起こしてしまい対話がスムーズに進まないことがあります。ハイフレックスグループワークセットはその課題を解決し、リアルとオンラインの隔たりを感じさせないスムーズな対話を実現します。また、リアル空間で話者が複数に及ぶ場合、話者を自動で識別しカメラを自動ズームする機能も搭載しています。これらの機能により空間の制約を超えた新しい学びの環境を構築します。
④教育データ活用
教員及び伴走者が生徒一人一人の様子を的確に判断し、成長をサポートしていくことは重要であるという前提のもと、その判断を補うためにデータを活用する必要があると考えます。リアル/オンライン/ハイフレックス環境における会話量やアイディア数の推移、滞在時間などのデータを収集し、能力・資質の変化をEdo独自開発の「非認知能力測定テスト」と「グループワーク分析システム(※6)」などを利用して、学習効果をデータの視点で検証していきます。
※1:Edo New School®とは
Edo New School®とは、Edoが運営する中高生向けの探究スクールです。「中高生の放課後を面白く!好きを探究する学校」をテーマとし、このスクールで目指すスクール生の姿として「やってみたい!を見つけ、やれると思える自分になる」を設定し5つの資質能力(以下※2)の向上を目指したカリキュラムを岐阜県飛騨圏域の中高生に提供しています。
参考 : https://lit.link/edonewschool
※2:Edo New School®が考える5つの資質・能力
スクールでは、文部科学省が掲げる学力の3要素、OECDが掲げるキーコンピテンシーなど複数の指標を参考にしながら独自の5つの育む力(1:ワクワクする好奇心、2:自分を表現する力、3:チャレンジする冒険心、4:人と協働する力、5:自分と社会を結びつける力)を成果指標として設定しています。
※3:イトーキのSmartCampusコンセプトに関して
ITOKI Smart Campus Solutionとは、次世代のラーニングスタイルとその実現に求められる学びの空間・デジタル環境を構築し、学びの新基準を提案・提唱するイトーキ独自の取り組みです。
参考:https://www.itoki.jp/special/smart-campus-solution
イラスト:イスナデザイン
※4:イトーキのメタバース、AI、データ分析に関する取り組み
生徒自らが個性を生かした表現活動を行う「研究発表会」と、海外と接続してオンライン上で交流を行う「国際交流会」をテーマに、メタバース技術を活用して仮想空間の学習環境をデザインし、次世代の教育カリキュラムとして学校法人静岡聖光学院の協力のもと、実証研究を行い授業として実装しました
参考(採択):https://www.itoki.jp/company/news/2022/2211_metaverse/
参考(実績):https://www.itoki.jp/company/news/2023/2306_metaverse/
また、メタバース以外にも様々な先進技術を活用した取り組みも実施しております。
参考(イトーキのDXの取り組み):https://open-dx-lab.itoki.jp/
※5 「地域資源カード」について
「地域資源カード」とは、ENSが開発した地域の特色や資源をカード形式で整理し、それを学びや探究活動に活用するためのツールです。ENSでは、スクールの壁一面にエリアマップを作成し、それを「地域資源ボード」と名付け、エリアと資源を紐付けた形でカードを展示しています。このカードやボードを通じて、スクール生たちは地域を俯瞰し、自分たちの問いと照らし合わせたり、異なるカードを組み合わせて新たなアイデアを考えたり、実際に地域の人々に会いに行くきっかけを見つけることができます。
※6:グループワーク分析システム
グループワーク中の録画・録音データを分析することで、発話量や盛り上がりの推移などが抽出できます。これまでグループワークの非認知能力の評価においては、教員をはじめ採点者の主観に頼っていた背景がありますが、システムによる量的評価を掛け合わせることで効率的かつ客観的な評価が可能となります。
■問い合わせ先
株式会社Edo
〒509-4225 岐阜県飛騨市古川町金森町10-25
080-1895-9133 info@educationdo.com
https://educationdo.com 担当: 関口、盤所
株式会社イトーキ DX推進本部
〒103-6113 東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋三井ビルディング
03-6910-3910
https://www.itoki.jp/
https://open-dx-lab.itoki.jp/ 担当: 小笠原、小澤、磯部